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アメリカ鉱物学会のメーリングリストに,鉱物同定に関する質問が流れました.

かんらん石を分析するために,EPMAで反射電子線像を観察していたら,かんらん石よりも輝度が高い脈状の鉱物があったので,それを分析をした.その結果,主な検出元素はCaO(約50 wt%)のみであり,Totalが100 wt%近くにならない.この”Unusual calcium-rich phase”は何?というのが質問の内容.

残念ながら,質問した人には,まず偏光顕微鏡で薄片中の鉱物を観察して,分析場所を決めるという発想はなかったようです.薄片を観察していれば,その時は確定できなくても,分析結果とあわせて,この"Unusual calcium-rich phase”がCaCO3(方解石アラレ石)であろうことは,容易に推測できたはずです(もう少し詳しく観察すれば,そのいずれかであるかも,おそらく判ったはず),分析後に薄片観察をしても,多分こんな質問をする必要はなかったでしょう.

このメールを読んでいて,約20年前,滞在していたアメリカ西海岸にあるS大学では,地球物理学分野の教員を中心に,「EPMAと粉末X線回折装置があれば,鉱物の同定は可能であるから,偏光顕微鏡についての講義や実験は必要ない.」という意見が出されていたことを思い出しました.

他山之石可以攻玉(え)
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